膝の痛みはとても不快ですよね。
階段の昇り降りやしゃがみ込みする際など様々な時にでるのでとても気になります。
膝の痛みの原因としては、膝関節に体重がかかることの負担やその蓄積により関節軟骨への変化や炎症、骨のターンオーバー(骨吸収と形成)異常が影響して痛みを自覚するようになることが考えられます。
今回は「痛みが出ない動き方を覚える事」に重点を置いたエクササイズをまとめていきます。
どのくらい痛い?
エクササイズを始めるにあたりいくつかチェック項目を設けましたので参考程度に目を通してください。
✔膝周りに熱感や腫れがある方
⇨膝関節周囲に炎症反応が出ているので、場合によっては悪化する可能性があるので注意!
✔座っていても痛い方
⇨まずは安静に保つ、もしくは体重をかけない運動にしましょう!
✔関節がゴリゴリとなる方
⇨関節の変形や膝関節周囲の動きが悪いため痛みが出ない範囲で実践を!
✔関節の可動域が狭い方
⇨動かせる可動域からでいいです。無理のない範囲で!
痛みが出ないような動き方を覚える
では本編です!
痛みを感じるのは、立った姿勢から膝を曲げようとした時や階段を昇り降りをする時ですよね。
言い換えると椅子に座ったまま膝を曲げる時と違って、体重を支えているというのがポイントです。
つまり、荷重に伴う膝関節の圧着と捻じれ、膝関節周囲筋の筋力と伸張性、さらには体重を支えているので足関節や股関節といった関節の動きにも影響されます。
そういった要素を改善しないと痛い動作の繰り返しとなり悪循環に繋がってしまいます。
できる範囲で改善を促していき痛くないような動作を獲得していきましょう。
【1】大腿四頭筋の運動
大腿四頭筋の筋力と柔軟性を身につける運動です。
楽な座位姿勢をとりましょう。
適度に膝を伸ばした状態から、大腿四頭筋がバランス良く、力が入るのを確認しながらさらに膝伸ばしを行います。
踵を床に押さえつけながら行う方が効果的ですよ。
力いっぱいではなくやさしく行いましょう!
【2】ふくらはぎの運動
ふくらはぎの硬さをとる運動です。
座った姿勢で両手を這わせるようにしてふくらはぎに当てます。
その際に指はわずかに曲げて軽く圧迫します。
足先からももへ向かって伸ばすように行いましょう。
足首の上げ下げを合わせて行うと効果的です。
【3】股関節周囲の運動
股関節周囲の筋力と柔軟性を身につける運動です。
横向きで片足を持ち上げ、お尻の横に力が入ることを確認します。
体が捻じれない様に横向きをしっかり保つのがポイントです。
【4】立位で曲げる運動
最後に立位で片足を前に出してゆっくりと膝を曲げます。
その際に骨盤が外側に行かない様に注意します。
痛くない位置を探しながら曲げ伸ばしを行いましょう。
最後に
今回は簡単に行えるエクササイズを4つ紹介しました!
ゆっくりとしたストレッチというよりは、なるべく筋肉の伸び縮みや体の動きを意識する方が痛くない動作の再学習に繋がると思います。
痛みの無い動きで継続して動かすことが重要です。
〈参考資料〉
1)Andriacchi TP, Mundermann: The role of ambulatory mechanics in the initiation and progression of knee osteoarthritis. Curr Opin Rheumatol. 2006; 18: 514-518.
2)木藤伸宏, 石井慎一郎, 三輪恵: 変形性膝関節症の理学療法の加速的アプローチ. 理学療法. 2003; 20: 429-438.
3)Hinman RS, Hunt MA, et al.: Hip muscle weakness in individuals with medial knee osteoarthritis. Arthritis Care Res. 2010; 62: 1190-1193.
4) AAOS(American Academy of Osrhopaedic Surgeons)